2004年7月20日(3日目)
ボンノム小屋[2433m](徒歩)→シャピュー[1549m](徒歩)→モッテ小屋(徒歩)→セイニュのコル[2516m](徒歩)→エリザベッタ小屋[2258m](泊) ※ヴァリエーションコースは強風と雪のため危険を伴うので止む無くやめる
歩行時間10h

7/20(3日目) 眠れぬ夜を過ごしながら、耳が痒いので夜明け頃触ってみるとその異変に気付く。”耳たぶが妙に大きい”のである。 触感はブヨブヨとしている。「く、腐ったか・・・」あまりの恐怖で早く状況確認したかったが、周りはまだ暗く同室の人々はぐっすり眠っている。 しかも非常に降りにくい2段ベッドの上段で横になっていたため、我慢して朝まで待つ。
ようやく朝になり急いで洗面所へ・・・。耳の下にビー球大の水ぶくれが。小さな氷のうを想像していただくと分かりやすいと思う。しかも何度もつぶれたようで髪の毛がカピカピになっている。 こんなふうになっているとは予想もせず、心底びっくりした。本当に帰ろうかと思ったが、どちらをとっても長い長い道のりが待っている。 それならば先に進んで、その後の日程を考えようと山小屋の人に消毒液と針をかりて、耳と指にできた水ぶくれをつぶし、消毒をしてコットンをバンドエードでつけその場をしのぐ。 山小屋の人も初めて見たらしく心底驚いた顔をしていた。いや、おののいていた。 ところで、このコットンは応急処置とはいえ大正解。山登り中、ヘンにばい菌が入ることもなく、水もコットンにでてくれたので、大分良かったように思う。
さて、気を取り直してトレッキング再開!

ところでボンノム小屋からエリザベッタ小屋に向かうコースは2手に分かれている。前夜の話では日本人ツアーのガイド(フランス人)の方の親切で、 短縮コースは雪が積もっているため多少危険だがロープを張ってツアー客を渡らせるので、それに混ぜてくれるということだった。 ところが当日になってみると強風のため、やはり危険と判断し(正確にはガイドさんが)結局ノーマルコースを取ることにする。 ツアーガイドの方は情報収集力にも長けていて、こういうときの判断が的確にできるが、私達だけではもしかしたら 短縮コースを取っていたかもしれない。危険な理由は崖に積もる雪はふっくらと盛り上がり、崖の境を見えなくする。 このため強風などであおられて足を着いた場所は空中ということもありえるのだ。この話を聞いてゾッとした。 素人こそ情報収集をする必要が大いにあるのだ。       


ラバ(馬とロバのかけあわせ)に迎えられモッテ小屋に到着。       

日本からのツアー団体の方々も順に到着し、ワイワイと賑やかな中、トマトとオムレツで軽い昼食をとる。 すると、ポツポツと雨が降り出しやがて本降りになった。みんなで困っただの、どうするだのいいながら様子を見る。 少し小降りになったのでカッパを着用し出発。セイニュのコルまで長い長い登り坂を歩く。 途中、山羊の群れが軽やかな足取りで急斜面を駆け下りていき、健脚を羨ましく思う。       

イタリア国境、セイニュのコルに到着!急に霧が出てこの5分後には辺り一面真っ白になる。       

エリザベッタ小屋到着。写真はエリザベッタ小屋からすぐ傍にのぞめる氷河と宿泊した部屋の様子。 この日は出発からエリザベッタ小屋まで10時間ほどの長い道のりを歩いたので、心底疲れた。 エリザベッタ小屋はこじんまりとしていてとても綺麗だったので、安心して寝ることができた。 ごはんも美味しく、山小屋が全部こんなふうだったらいいのにと贅沢な空想をした。 私達のトレッキングも、このエリザベッタ小屋の人気が高く、希望の日が取れなかったため トレッキングが1日早まっている・・納得の山小屋である。

この日もエリザベッタ小屋で消毒液を借りたが、大きな容器のその消毒液に不安を覚える(強そうだから)。
結局、フランス人ツアーガイドさんに聞いたところ、彼も持ち合わせていたためこちらをお借りする。 写真がその消毒液。見かけは悪いがなかなか親近感の持てる容貌だった。

  • ■お薦め情報■
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  • 山で出会う人はとってもサンパ(感じが良い)!是非こちらからボンジューと声をかけてみましょう。明日くらいからはボンジョルノーのがいいのかな?
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  • 山では山小屋の人、登山客、ツアーガイドなど色々な人から情報収集をしてリスクマネージメントを行いましょう。自分の身は自分で守らねば
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